社会保険労務士合格者の多い資格の学校を調査してみた
社会保険労務士は、当サイトの人気資格ランキング(受講者数を元に算出)でも、上位に入る人気資格です。年間で約4万人が資格試験に挑戦しています。
社会保険労務士は、人事労務の専門家です。会社内でのキャリアアップや、転職、さらには独立開業にも有利に働く「国家資格」と言えます。当サイトでも、自信を持っておすすめできる資格のひとつです。
近年、「ブラック企業」という言葉を頻繁に目にしますが、それだけ日本人の働き方や企業の在り方に注目が集まっているということです。
そういった中、労働時間の短縮や採用、年金問題など、企業の抱える「労働問題」は数多くあり、社会保険労務士の需要は高まっていると言えるでしょう。
試験そのものは平均合格率が6%弱です。
ゆえに、資格試験の難易度は高いと言えます。
平成27年度の試験の合格率は、2.6%と絶望的な数値となっています。ここ数年だけを見ると5%前後の合格率で推移しており、合格することが難しくなっているのが試験の特徴です。
そんな難易度高めの社会保険労務士を目指すあなたのために、資格学校ごとの社会保険労務士合格者数を調査してみました。
資格の学校選びの参考にしてください。
人気資格の社会保険労務士
社会保険労務士は、人事労務のスペシャリストとして活躍できる資格です。
具体的な仕事内容は、社会保険の加入手続や労働保険料の計算、社内の賃金台帳作成や確定申告、労働契約や就業規則の作成などの定型業務が主となります。
ただ、それだけでなく、労働環境の整備や、組織体制についても豊富な知識があるので、経営者にアドバイスするコンサルタントとしても活躍の場があります。
近年は、キャリアアップ助成金といった助成金の申請手続きなどで報酬を得ている社会保険労務士も多くなっています。
このように「労働」に関わる資格のため、企業内で活かすことも出来ますし、独立開業も可能です。
社会保険労務士の資格試験の特徴として、「女性の受験者が多い」ことが挙げられます。合格者も全体の3割は女性です。
これは、総務系の仕事である社会保険手続きや給与計算の業務に従事している人材に、女性のウエイトが高いことが反映されていると言えます。
女性に人気の資格ですが、働く女性が増える中で、その気持ちがわかる女性の社会保険労務士の活躍の場も広がっていると言えるでしょう。
そんな人気資格の社会保険労務士ですが、資格取得するまでにどの程度の勉強時間が必要なのでしょうか。試験の合格率とともに各資格学校の社会保険労務士の合格者数も見ていきたいと思います。
社会保険労務士の勉強時間
そんな社会保険労務士ですが、学習時間としては、少ない人でも500時間。
平均的には800時間~1000時間ほどと言われています。資格取得の難易度は年々増しており、かなり難しくなっていると言えます。
社会保険労務士も独学で勉強して合格される方もいらっしゃいます。
しかし、常識的に考えて、社会人で1日に勉強に費やせる時間というのは、2時間~3時間程度です。ということは、どう見積もっても最低約1年の学習期間が必要になります。それでも受かるかどうか分からないのですから、学習効率面から見て、独学は避けた方が無難です。
さらに、ここ数年で合格率が下がっているということは、問題の傾向そのものが、変化しているということです。これは、過去問だけでの対応が困難であることを示しており、そういう問題傾向の変化を掴む上でも、資格の学校を活用して勉強されると良いと思います。
それが、結果的に時間もお金も節約することに繋がるでしょう。
特に、人事労務の専門家になるわけですから、労働基準法を中心に法律も覚えないといけません。ポイントが掴めていないのに独学では、時間がかかり過ぎます。ですので、自分に合った資格の学校を選んで勉強することをおすすめします。
その上で、過去問や、その他の参考書を購入して試験範囲を多面的に捉えてみるというのは「アリ」なのではないでしょうか。
私の父が社会保険労務士でして、以下のテキストをおすすめしています。
2017年版 うかるぞ社労士 基本テキスト (うかるぞ社労士シリーズ)
よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集 (1)
社会保険労務士の合格率
受験者数は、ここ5年を平均すると、受験者数は約4.3万人。合格率は6%を切るという状況です。国家試験のなかでも合格率は低い数字といえるでしょう。
実施年度 | 受験者数(単位:名) | 合格者数(単位:名) | 合格率 |
平成28年度 | 39,972 | 1,770 | 4.4% |
平成27年度 | 40,712 | 1,051 | 2.6% |
平成26年度 | 44,546 | 4,156 | 9.3% |
平成25年度 | 49,292 | 2,666 | 5.4% |
平成24年度 | 51,960 | 3,650 | 7.0% |
平成23年度 | 53,392 | 3,855 | 7.2% |
平成22年度 | 55,445 | 4,790 | 8.6% |
平成21年度 | 52,983 | 4,019 | 7.6% |
平成20年度 | 47,568 | 3,574 | 7.5% |
社会保険労務士は、平成20年度~平成24年度までは7%~8%で推移していたのに、平成25年度以降(平成26年度を除き)は、極端に合格率が下がっています。
大手資格学校の合格者数と占有率
平成28年度の試験における大手資格学校の合格者占有率を見てみたいと思います。公式で発表されているデータです。
私自身も、中小企業診断士の一次試験に合格した際は、TACの通信講座を受講していましたが、集計などのアンケートにも一切答えていませんし、確実に集計できていないこともあるでしょう。
なので、こうしたデータをきちんと出しているというのは信頼が高まりますね。
資格の学校 | 合格者数(単位:名) | 合格者に占める割合(占有率) |
資格の学校TAC | 326 | 18.4% |
資格の大原 | 242 | 13.7% |
フォーサイト | 57 | 3.2% |
LEC | データなし | - |
資格★合格クレアール | データなし | - |
ユーキャン | データなし | - |
合格者を一番多く輩出しているのは、TACでした。やはり、最大手の資格学校だけあり、難関試験には強いという印象です。
資格の大原もブランド力がありますし、積み上げてきた実績もあるので、合格者数はTACに近い数字となっています。
しかし、一見合格者数が少ないとは言いつつも、受講者そのものが多ければ必然的に合格者の数も増えてしまいます。
そこで、注目したいのは、フォーサイトです。合格者の数そのものは少ないものの、自分の学校の全受講者がどれだけ合格したのかも算出しています。
資格の学校 | 受講者数(単位:名) | 合格者数(単位:名) | 合格率 |
フォーサイト | 332 | 57 | 17.2% |
平成28年度試験における合格率が4.4%なのを考えると、17.2%はかなり高いということがわかります。当然、全受講者の数が大手に比べると格段に低いと思いますので、そういった点も考慮すると、フォーサイトの実績がどれだけすごいのかということもわかります。
大手の資格学校は受講者の総数が多くなってしまいますので、当然脱落していく人もいますし、それらをカバーするのにも限度があると言えます。
受講者での合格率という視点で見た場合には、それほど高くないのかもしれません。
資格の学校のカリキュラムは、スケジュール、進捗管理、分からないところへの質問等、を整備してくれているため、その通りに学習を進めていけば、必然的に合格に手が届くようになります。
また、基礎から理解できるので、社会保険労務士の勉強をするのであれば、資格の学校を利用したほうが良いでしょう。
まとめ
社労士は、合格できない試験ではありません。努力のやり方さえ間違えなければ、必ず合格できます。なので、合格へ導いてくれる資格の学校を選択し、学習を継続すること。これが何よりも重要になります。
合格者数とそれに関するデータを見ての実績評価は、以下のようにさせていただきました。合格実績だけを見るのであれば、おすすめの資格の学校は、フォーサイトということになります。
資格の学校 | 社会保険労務士における合格実績の評価 |
フォーサイト | ★★★★★ |
資格の学校TAC | ★★★★ |
資格の大原 | ★★★★ |
LEC東京リーガルマインド | ★ |
クレアール | ★ |
ユーキャン | ★ |
最後までお読みいただき、ありがとうございました。